竹田恒泰氏VS山崎雅弘氏裁判にみる、裁判官の異常な愛情

まず、裁判の概要から簡単に説明しよう。

原告である竹田氏は令和元年11月13日午後4時から、富山県朝日町教育委員会が令和元年度朝日町中高連携推進事業の一環として主催し、同町内の中高生約550名を含む約900名の参加者を対象とした「日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか」という名称の講演会において講師を務める予定であったが、被告山崎氏の一連のツイート後、講演会に反対する旨の電話やメールが同教育委員会に複数寄せられたほか、同月10日には「講演会を中止しないとガソリンをまく」旨の電話があった事から講演会は中止され、竹田氏は同講演会で行う予定だった講演をインターネット上で配信した。
これからの件で山崎氏のツイートは竹田氏の社会的評価を著しく低下させるとして、提訴した。

東京地裁判決文より

果たして山崎氏のツイートはどのようなものだったか。

1.竹田恒泰という人物が普段どんなことを書いているか、ツイッターを見ればすぐ確認できる。それでもこの人物を招いて、町内の中・高校生に自国優越思想の妄想を植え付ける講演をさせる富山県朝日町の教育委員会に、教育に携わる資格はないだろう。社会の壊れ方がとにかく酷い。
2.竹田恒泰という人物が過去に書いたツイートを四つほど紹介するだけでも、この人物が教育現場に出してはいけない人権侵害常習犯の差別主義者だとすぐわかる。富山県朝日町の教育委員会が、何も知らずに彼をわざわざ東京から招聘するわけがない。つまり今は教育委員会にも差別主義者がいる可能性が高い。
3.これも問題ですね。大阪市教育委員会の後援ということは、竹田恒泰氏の日頃の発言内容を「問題だ」と思わない、民族差別や国籍差別、男女差別に鈍感、無感覚な人間が、大阪市教育委員会という公的組織の内部の要職にいることを意味します。教育行政が音を立てて崩れている。
4.一部の人がよく使う、人をだますトリックを貴方もお使いですね。全然「当たり前」じゃないです。まず第一に、保障されている言論の自由には「人権侵害のヘイト言論」は含まれません。言論の自由を「何を言ったり書いたりしても自由」だと勘違いする小学生のような大人が多い。
5.(続き)第三に、今回の件が問題なのは、本来なら「差別や偏見、いじめはいけません」と子どもに教える責任を負う教育委員会という公的機関が、特定国やその出身者に対する差別やいじめの常習者である竹田恒泰氏を、税金で謝礼を払う行事に登壇させることです。差別やいじめを是認することになります。

東京地裁判決文より

いかがだろうか。個人的には相当な事を仰っていると思うのだけど、山崎氏は竹田氏の言動に対する論評であり、自国が優越していると思うこと自体は各個人の価値観の問題にすぎないから、竹田氏の社会的評価を低下させるものではないと主張している。
これを裁判所はどう判断したか。
結果は地裁、高裁全て棄却。最高裁まで上告したけれどこれも棄却。竹田氏全面的敗訴という事になった。
ただ、地裁の判決文を些細に読んでいくと首を傾げるような認定が多数見受けられる。
まず、裁判所はこの山崎氏の一連のツイートが竹田氏の社会的評価を下げるものであるとは認定している。
しかし「原告(竹田氏)自身も他国や他民族、原告と意見を異にする活動者等に対する批判的意見を加える際に、あえて攻撃的で侮辱的ともとれる表現を多数使用し、読者が感得する当該批判的意見の対象への否定的評価をより一層高める手法を少なくない頻度で用いており、このような表現の内容、態度に鑑みると、原告としても、一定の批判は甘受すべきであったといえる。以上の事情を考慮すれば、被告(山崎氏)による各ツイートの表現が、意見ないし論評の域を逸脱するものとは認められず、原告の主張を採用することはできない。」
要するに「日頃の言動からある程度の批判はあって当然。そのくらい当たり前だと思ってなきゃ駄目でしょう。山崎くんの言ってる事はただの論評だね。社会的評価なんて下がらないよ〜賠償?無理無理。(意訳)」
という判決だったのだ。いや、まて。この甘受すべきって、それって貴方の感想ですよね?ってなりませんかね、前澤達朗裁判官
この部分は高裁の判決文で全て削除されたけど。
なぜ、裁判官の自由裁量でこんな感想を判決文に載せるのか?
私たちは裁判というものは、客観的事実のみで判断されるものと考えていたけれど、裁判官のお気持ちで決まってしまうものらしい。
これを異常事態と思って何かしなければ司法は終わる。
その為にもっと国民の目を裁判所に入れていくべきだ。
それには裁判の可視化と公開が当会では一番だと考える。
この問題については、動画でも配信しているので興味ある方には是非、観て頂きたい。

令和2年(ワ)第1155号損害賠償等請求事件 東京地方裁判所民事第一部 裁判官裁判長 前澤達朗

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