廃棄された「兵庫県姫路市ホームレス焼死事件」

神戸家裁姫路支部(番号39)

 兵庫県姫路市ホームレス焼死事件

【事件概要】

姫路市のホームレス焼死事件。東京放送、日本経済新聞の3月16日の報道によると、2005年10月に兵庫県姫路市で起きたホームレスの男性・雨堤誠さん(当時60歳)が火炎瓶を投げられて焼死した事件で、兵庫県警察本部捜査一課と姫路警察署は同日、姫路市内在住の10代の少年2人を殺人と火炎瓶処罰法違反の嫌疑で逮捕した。また、ほかに2人の少年についてすでに逮捕状を取っている。

【日経新聞の報道】

逮捕されたのは姫路市に住む高校3年生の男子生徒A(18歳)と、中学校3年生の男子生徒B(15歳)の2人である。逮捕された2人を含む4人は遊び仲間で、Aがそのリーダーと見られている。調べに対しA、Bの2人は4人でしたことを認めているという。

兵庫県警捜査一課は既に別の恐喝事件容疑で逮捕済みの無職のC、D(いずれも16歳)についても17日にも殺人などの嫌疑で再逮捕する方針。

さらに日経は死亡した雨堤さんが足が不自由であることを知ったうえで、寝場所とした狭い空間に火炎瓶を投げつけた「未必の故意」があると判断し、殺人罪を適用したと伝えている。

(ウィキニュースより)

【産経新聞の報道による、犯人達の動機と家裁送致】

神戸家裁姫路支部が姫路市の野宿者焼殺事件で主犯格の少年を検察官送致。11日、神戸地検姫路支部が少年を神戸地裁姫路支部に起訴

◇2006年06月28日

野宿者焼殺 少年側、殺意を否認 地裁姫路支部初公判

検察「報復を指示」

兵庫県姫路市で昨年10月、橋の下で暮らすホームレスの雨堤誠さん=当時(60)=が火炎瓶を投げつけられて焼死した事件で、殺人などの罪に問われた事件当時高校3年生の無職少年(18)に対する初公判が28日、神戸地裁姫路支部(五十嵐常之裁判長)で開かれた。検察側は少年の確定的殺意を指摘したが、少年側は火炎瓶を投げた行為は認めたものの、「殺意はなかった」と争う姿勢を示した。

起訴状によると、少年は昨年10月22日未明、15~17歳の少年3人とともに、雨堤さんが暮らす姫路市西夢前台の夢前橋下の金網の中に「殺意をもって」火炎瓶を投げ入れ、殺害した-とされる。

検察側は冒頭陳述で、「別のホームレスから瓶を足に投げつけられた少年が報復を決意し、他の3人に『火炎瓶を作るぞ』と指示した」と少年が主導的立場にあったことを指摘。「雨堤さんの住みかをそのホームレスの住みかと思い込んだ」としたうえで、「確実に殺害しようと、金網の出入り口に上半身を突っ込んだうえ、『出てこんか、こらぁ』と怒鳴りながら火炎瓶を投げ込んだ」と主張した。

一方、弁護側は「仲間の少年が『火炎瓶を作りましょうか』と話し、少年が同意した」と反論。さらに、少年は後頭部に(別のホームレスから)瓶をぶつけられたため、「ホームレスの住みかを燃やし、住めなくしてやろうと思った。(犯行前に)火のついた火炎瓶で金網の中を照らしたが、人の気配すら感じず、中に人がいるなど思ってもいなかった」と殺意を否認した。

弁護人は今後、「殺人罪にはあたらず、保護処分が妥当」として、少年を再度、家裁へ送致するよう求める方針。

(産経新聞) - 6月28日

資料廃棄調査結果

廃棄時における管理職は、本件事件の主犯格の公判時に刑事担当の管理職として対応したので、本件事件自体は認識しており、一部の少年に係る記録は保存されているのではないかと思っていた。同管理職は、当時、記録の保存の必要性を名誉回復の手段(再審請求)をとる可能性があるかという観点からしか考えておらず、2項特別保存の意識はなく、基本的には全件廃棄と考えていた。そのため、同管理職は、少年事件の記録の保存について検討したり誰かに相談したりしたことはなく、所長にも諮らず本件記録の廃棄手続を進めた。

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