廃棄された「岐阜中2女子殺害事件」

岐阜家裁本庁(番号41)

 中津川市のパチンコ店空き店舗で平成18年4月、中学2年の女子生徒が殺害された事件

【事件概要】

岐阜中2女子殺害事件。2006年4月21日、岐阜県中津川市内の空き店舗で、中津川市立第二中学校の中学二年生女子生徒(19日夕方から行方不明)が他殺体となって発見された事件である。原因は痴情のもつれとされている。

【発生時刻】

岐阜県警察本部と中津川警察署の特別捜査本部は、女子中学生が死亡したのは「男子生徒の供述から、19日午後6時30分頃と推定される」と発表した。

【事件経緯】

❬19日夕方❭

女子中学生は、JR中津川駅近くのアピタ中津川店で友人と別れたあと、持っていた携帯電話から自宅に「もうすぐ帰る」と言い残して、消息が分からなくなった。家族は心配をして携帯電話に電話をかけ続けたが繋がらず、19日夜に中津川署に捜索願を出していた。

❬21日❭

女子中学生を捜していた中津川署員が、以前から若者達のたまり場となっていた空き店舗(元パチンコ店)を捜索したところ、頭から血を流して倒れている女子中学生を発見した。既に死亡しており、持っていた筈の携帯電話が無くなっていた。

致命傷は、首を絞められたことによる窒息死(絞殺)の疑いが強いという。

岐阜県警察本部と中津川警察署は殺人事件と断定し中津川署に特別捜査本部を設置、捜査を開始した(現場から携帯電話がなくなっていたことから、顔見知りの犯行と推定)。

付近の聞き込みから、「不審な若い男」の存在が判明。この男の行方を追う。

死亡推定時刻である19日夕方に、「現場近くで、不審な若い男と女子中学生が話している」のを目撃した者がいた。

❬22日未明❭

女子中学生の交友関係から、15歳の岐阜県立坂下高等学校一年生の男子生徒が浮かび、中津川署で任意で事情を聞いたところ、女子中学生を殺害したことを認めたため、緊急逮捕した。

❬22日午前4時❭

岐阜県警が記者会見を開き、犯人は15歳の高校一年生の男子生徒と発表。男子生徒は女子中学生と同じ中学校を同年3月に卒業したばかりだった。また、この少年は別の16歳女性との間にも2歳の子供がいる。

2ちゃんねるなどの掲示板上に、加害者のブログから顔写真や氏名や経歴などが貼られた。すぐに岐阜地方法務局より、加害者情報の削除が依頼された。

資料廃棄調査結果

廃棄時における管理職は、廃棄の決裁の際に担当職員から本件記録が廃棄対象になっていると聞いたが、2項特別保存に付すか否かの判断は、当事者からの要望があるなどしない限り事件が終局した段階で行うものであると考えていたため、廃棄時に特別保存の検討がされず、所長に諮られることはなく、本件記録は廃棄された。

なお、同管理職は、2項特別保存の対象は、学術的に重要な憲法判断がされた事件や、世間を賑わせた事件の記録と認識していたが、本件事件は対象とならないと考えていた。

その一方で、終局時の管理職は、2項特別保存の制度は知っていたものの、2項特別保存に付すという意識がなかったため、その検討時期については考えたことがなく、終局時に特別保存の検討がされることもなかった。また、同管理職の後任者は、本件記録について最高裁から問合せがあったり、職員が研究のため来庁したりしたことがあったため、特別保存に付す必要があると考えた。

そして、記録のビニールファイルの表側のポケットに「特別保存対象事件記録」と記載した紙を挟み込み、記録庫においても他の記録とは分けておくなどして廃棄手続に入ろうとした時に特別保存を検討するきっかけとなり得る措置をとったが、その措置は特別保存の検討につながらなかった。

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